肥満より死亡率が上昇 高齢者の「低体重」はこんなに危険

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 東邦大学医療センター佐倉病院循環器科の東丸貴信教授は言う。

■栄養状態が悪く脳心血管疾患を起こしやすい

「低体重の人は、栄養状態が悪化しているケースが多いと考えられます。栄養状態が悪いと、タンパク質、ミネラル、ビタミンといった筋肉や組織に必要な栄養素も不足します。心臓は主に心筋という筋肉細胞でできている臓器です。低体重でそうした栄養素が不足すると、心臓や血管そのものの機能が低下してしまい、貧血も相まって心不全などを起こしやすくなるのです。また、栄養状態が悪化してカリウムやマグネシウムなどの電解質が不足すると、不整脈を起こす原因になります」

 食欲の低下などによって低体重になり、血清中にあるタンパク質の一種「アルブミン」が不足することも、脳心血管疾患のリスクをアップさせるという。

「アルブミンは、血管内外の水分のバランスを調整する役割があります。アルブミンが不足すると、水分が血管内から外に排出されてむくみが出るだけでなく、血管内脱水になって血液の成分が濃くなります。血液の流れが悪化して血栓もできやすくなるので、脳梗塞心筋梗塞のリスクをアップさせたり、出血しやすくなって脳卒中を引き起こす要因にもなります」(東丸教授)

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