歯が減り、足の指は地面につかず…子供に広がる体の異変
先天性欠損歯は第二小臼歯の片側に表れやすい。
「小臼歯は矯正歯科でよく抜かれる歯で、歯全体のバランスさえ取れれば問題ありません。しかし、片方だけが欠損していると上下左右の噛み合わせが悪くなります。当然、顎関節を痛めます。正しい歯ぎしりができずに精神的なストレスが解消されず、勉強や仕事に集中できなくなったり、体全体のバランスに影響します」(木村院長)
最近は口を開けた時に見えやすい側切歯や、最も重要な大臼歯が先天性欠損歯になるケースが目立つという。
■50代で寝たきりに?
異変は歯だけではない。足の裏にも表れ、若い女性の病気の印象が強い「外反母趾」、足の指が地面についた状態でない「浮き指」や「扁平足」も増えている。「林整形外科」(埼玉県さいたま市)院長で、NPO法人「全国ストップ・ザ・ロコモ協議会」副理事長の林承弘氏が言う。
「最近の子供は“片足立ちが5秒以上できない”“しゃがみ込めない”“肩が垂直に上がらない”“前屈で指が床につかない”“転ぶとき手が出ない”子が多い。5、6歳ですでに老人姿勢となり『肩こり・腰痛』を訴える子供もいる。このままでは30~40代で体の不調が起こり、50代くらいでロコモになってしまうのでは、と心配しています」