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永田宏長浜バイオ大学コンピュータバイオサイエンス学科教授

筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。

中京圏の特養事情 都道府県定員は愛知県がワースト1位だが

公開日: 更新日:

■「老人病院」と「老健」でカバー

 ただし、待機老人の人数を見ると、違った景色が見えてきます。愛知県が約1万1000人、岐阜県が約1万7000人、三重県が約1万人です。愛知県は特養が少ないにもかかわらず、待機老人が意外と少ないのです。

 それには理由があります。愛知県には、特養の不足を補完する介護療養型医療施設(老人病院)が約2300床もあります(岐阜県602床、三重県1063床)。これは大阪府の数字とほぼ同じです。

 さらに介護老人保健施設(老健)も1万6000床で、やはり大阪府にほぼ匹敵しています(岐阜・三重とも約6000床)。老健は短期入所(最大3カ月)が原則の介護施設です。そのため3カ月ごとに入所継続の判定が行われ、認められればさらに最大3カ月居続けられますが、多くは退所を要請されることになります。

 とはいえ3カ月間預かってもらえるのは、介護をする家族にとってありがたいこと。特養に空きができるまで、老健と自宅を行き来したり、複数の老健を転々とする老人も少なくないのです。ちょっと綱渡り的ですが、愛知県に限ればそれが比較的うまくいっているわけです。

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