原千晶さん「後悔」 子宮頚がん・子宮体がん闘病を全激白
ところが、手術から3週間後、病理検査で分かったのは、切除した部分ががんだったということ。しかも、「あまりいいタイプじゃないので再発を防ぐために子宮を全部取った方がいい」とのことでした。
北海道の母と一緒にその言葉を聞いた時、その場で号泣しました。あまりのショックで医師の話はまったく耳に入らず、ただ母がギュッと強く握ってくれた右手の感触しか記憶にありません。
医師から「1週間考えてください」と言われたものの、子供が産めなくなるなんてとても受け入れられない。でも、厳格な父が「孫の顔はどうでもいい。おまえが生きてくれれば……」と声を震わせたのです。生まれて初めて見た父の涙に心打たれて、やっと手術の同意書にサインできました。
ただ、ここからが私の過ちの始まりです。1カ月の準備期間中に「本当に子宮を取っていいのか」という思いと、「やっぱり命が大事」という思いのはざまでまた迷い、その結果、手術前日にキャンセルしてしまったのです。「1人だけでも産みたい」という思いから、「子宮を残しても大丈夫かも」というばかげた賭けに出たんです。