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石原藤樹「北品川藤クリニック」院長

信州大学医学部医学科大学院卒。同大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科研修を経て、1998年より「六号通り診療所」所長を務めた。日本プライマリ・ケア学会会員。日本医師会認定産業医・同認定スポーツ医。糖尿病協会療養指導医。

インスタント食品に多く リンの食べ過ぎが老化を進める

公開日: 更新日:

 誰でも年は取りたくないものです。年齢を重ねること自体は自然の摂理ですから仕方のないことですが、体の老化はなるべく遅らせたいというのが、すべての皆さんの願いだと思います。老化を遅らせるにはどうすれば良いのでしょうか? 

 この点で最近注目されているのが、リンの取り過ぎと老化との関係です。抗老化遺伝子として知られている、クロトーという遺伝子があります。動物実験において、この遺伝子が働かないと動脈硬化や骨粗しょう症が進行して寿命が短くなるのですが、この時に血液のリン濃度が上昇し、リンの制限を行うとその老化の進行は食い止められたのです。このことから、食事からのリンの取り過ぎと、老化との関係が注目されました。そのメカニズムはまだ不明ですが、体で余分のリンがスムーズに排泄出来ないような状態になると、血管などに石灰化が起こりやすくなって、それが体の老化の一因となっているようです。

 リンは保存食品やインスタント食品に多く含まれていて、ソーセージやサラミなどの加工肉はその代表です。こうした加工肉を多く取る人は、寿命が短く心臓などの病気が多いというデータがありますが、塩分やリンの影響と考えるとつじつまは合う気がします。

 健康に年齢を重ねるためには、加工肉やインスタント食品を控えるのが、まずは科学的な老化予防と言えそうです。

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