3歳で脳性麻痺 ヴァイオリニスト式町水晶さん明かす“心の闇”
小脳が普通の人の半分以下しかありません。でも、言語能力や記憶力は人並み以上に高いと言われました。2時間以上のコンサートでも楽譜は置きません。楽譜を見ちゃうとかえってダメなんです。2つのことが同時にできないので(笑い)。
だからトークそのものは得意なのですが、「曲と曲の合間にトークをする」っていうのがボクにとっては結構大変で、脳のスイッチを切り替えないとできないんです。大げさにいうと人格が違う感じ。何げなくやっていますけど、実は訓練のたまものなのです。トークするボクのままでバイオリンは弾けません。
「小脳低形成による脳性麻痺」は、生まれつき脳からの信号がうまく筋肉に伝わらない病気です。
ボクの場合は、特に下半身がひどくて、姿勢をキープしたり運動をコントロールしたりすることが難しく、中学まで校内では車いす生活でした。動けるけど危ないという理由で……。
3歳の時にこの病気がわかり、喘息もあったので、いわゆる病弱な子供でした。
4歳から療育医療センター(医療型障害児入所施設)に行き、足に装具を着けて車いすで過ごす中、リハビリとしてバイオリン教室に通い始めました。その前はピアノだったのですが、左右の力が均等じゃないことや体幹が傾いてしまうのでボクには不向きでした。