3歳で脳性麻痺 ヴァイオリニスト式町水晶さん明かす“心の闇”
そんな時、祖母の提案で刑務所へ慰問演奏に行くことになりました。「なんでこんな時に……」と思っていましたが、行ってみて気づいたことがありました。自らの罪と向き合ってジッと耐えている受刑者の姿と、いじめに耐えている自分の姿がリンクしたのです。
実は、それをきっかけに、12歳の時に作曲したのがアルバムタイトル曲「孤独の戦士」です。この曲には受刑者の方々を励ますと同時に、自分自身を助けたいという思いがこもっています。
それはさておき(笑い)、いじめがピークだった12歳で喘息が悪化し、心臓も狭窄して、子供ながらに「寿命が短いかも」と思いました。この頃から精神的にも肉体的にも大変で心がすさんでいき、いつしかバイオリンが健常者と闘うための道具になっていきました。「仲良くするのは表向きだけ。心は決して許さない」と誓ったのもこの頃です。
その後、好戦的でストレスが多いせいか高血圧になり、薬が増えると腎臓を悪くし、それまで麻痺のなかった腰や肩にも麻痺が出る2次障害も起こりました。「このままいけば将来寝たきり」という危機感もあって、15歳から筋トレジムに通い始めました。土手を走るようになると血圧が下がり、体力もつきました。以来、筋トレとランニングにハマっています。