「大学ではいつもひとりのいわゆる“ぼっち”生活でした」
大学卒業後、就職した介護施設での仕事がうまくいかずに退職。その後発達障害という診断を受けた篠聡志さん(29歳)。実は自分と周囲とのズレは、小学校時代から感じていたという。
時折かんしゃくを起こすと止まらなくなる一方で、標本など、生物の世界に興味があり、生物学者になりたいとも考えていた。
「中学は受験して私立の中高一貫校に進みました。ここでは友達もいて、いつも同じメンバーと一緒にいられるので、それほど困ることはなかったんです。それでも、高校のときには、自分はどうやって生きていけばいいのか、という漠然とした悩みを抱いて、一時期不登校になったこともありました」
学校に戻ってからは、哲学に対する興味を抱き、哲学史などの本を読むように。大学も、哲学科を受験して合格。現役で進学した。
「ところが、大学ではまったく友達ができなくて。サークルも入ってはみたものの馴染めないので、すぐ辞めてしまいました。大学ではいつもひとりのいわゆる“ぼっち”生活を送っていました」