子供の腹痛を甘く見ない 親として知っておくべきことは?
■胃食道逆流症
胃酸を含む胃の内容物が食道内に逆流する。
「胸焼けや呑酸(酸っぱいものが口に上がってくる)が症状ですが、小児では嘔吐や腹痛が主症状。胸焼けがあっても、子供にはその概念がなく、訴えません。呼吸器症状や体重増加不良、胸痛、姿勢異常など消化管以外の多彩な症状が出ることもあります」
親が注意深く観察するしかない。
中山医師が診た子供は、親が育児日記に「嘔吐した時に苦しそうな顔をしていた」と書いてあり、後の胃食道逆流症の診断につながる情報のひとつになった。
■胃・十二指腸潰瘍
「小児では胃潰瘍よりも十二指腸潰瘍の頻度が高く、主症状は年齢で異なります。診断が遅れると成長障害や不登校を伴うことがありますし、穿孔、狭窄、消化管出血の合併症は、成人と同様、小児でも起こります」
新生児から乳児期の主症状は、繰り返す嘔吐、消化管出血、体重増加不良。
幼児期では、へそ周囲の腹痛。学童期では上腹部圧痛を伴う、みぞおちの痛みが多い。