がんが進行すると人はなぜやせるのか? 原因は2つある

公開日: 更新日:

 がんになった人がやせ細っていく原因は2つある。一つはがんで消化管が狭窄や閉塞してしまったり、治療や告知による食欲不振などが原因の「がん関連体重減少」。もう一つは、がんによって誘発された、「がん誘発性体重減少」だ。

 前者は治療可能とされているが、厄介なのは後者。がん悪液質と呼ばれ、健康な時と同じような食事をしていると栄養不足になってしまう。

 国際医療福祉大学病院内科学の一石英一郎教授が言う。

「悪液質とは、がん細胞や免疫細胞から出される炎症性サイトカイン(免疫細胞間の情報伝達を担う物質のうち、炎症反応を誘発するもの)やホルモンなどの物質が血液やリンパの流れに乗って全身を巡り、代謝・免疫・内分泌・脳神経などの異常や慢性炎症を起こしている状態をいいます。その結果、食べても体重増につながらないだけでなく、エネルギー不足を補うため筋肉や脂肪が分解されるのです」

 脳神経にも異常が出るので、食欲不振、味覚異常、吐き気などの症状が表れる。悪液質のがん患者は食事からますます遠のくことになる。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人原前監督が“愛弟子”阿部監督1年目Vに4日間も「ノーコメント」だった摩訶不思議

  2. 2

    巨人・阿部監督1年目V目前で唇かむ原前監督…自身は事実上クビで「おいしいとこ取り」された憤まん

  3. 3

    松本人志は勝訴でも「テレビ復帰は困難」と関係者が語るワケ…“シビアな金銭感覚”がアダに

  4. 4

    肺がん「ステージ4」歌手・山川豊さんが胸中吐露…「5年歌えれば、いや3年でもいい」

  5. 5

    貧打広島が今オフ異例のFA参戦へ…狙うは地元出身の安打製造機 歴史的失速でチーム内外から「補強して」

  1. 6

    紀子さま誕生日文書ににじむ長女・眞子さんとの距離…コロナ明けでも里帰りせず心配事は山積み

  2. 7

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  3. 8

    メジャー挑戦、残留、国内移籍…広島・森下、大瀬良、九里の去就問題は三者三様

  4. 9

    かつての大谷が思い描いた「投打の理想」 避けられないと悟った「永遠の課題」とは

  5. 10

    大谷が初めて明かしたメジャーへの思い「自分に年俸30億円、総額200億円の価値?ないでしょうね…」