生命予後が延びる可能性 がん治療中「ロコモ対策」とは何

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「しかし、がんの治療適応は動けるレベルで決まります。だから、がんであっても動けることが重要。運動器の専門家が関わり、装具治療や手術リハビリテーションや薬物療法を行い、痛みの軽減や機能回復を行う必要があるのです」

 さらに土屋教授によれば、「がんの痛み」とされているものの中に、実はそうでないものもあるという。

 がん患者は中高齢者のため、がん以外にも変形性関節症、腰部脊柱管狭窄症、頚椎症、骨粗しょう症などの運動器疾患を持っていることが珍しくないからだ。

 82歳の肺がんの男性は、PET/CTで骨転移が認められたことからステージ4と診断。年齢とステージから積極的治療はしないとされ、骨転移の症状を抑えるための装具装着の相談で整形外科を受診した。

「ところが画像検査を行うと骨転移ではなく頚椎症。PET/CTは炎症部位に反応するため、骨転移と頚椎症の区別ができなかった。これは整形外科医でないと見分けづらい。この患者さんは、診断がステージ4からステージ2に変わり、治療再検討となりました」

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