牧田善二
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牧田善二糖尿病専門医・AGE牧田クリニック院長

AGE牧田クリニック院長、医学博士、糖尿病専門医。1979年、北海道大学医学部卒業。ニューヨークのロックフェラー大学医生化学講座などで糖尿病の合併症の原因とされるAGEを研究。96年から北海道大学医学部講師、2000年から久留米大学医学部教授。03年から糖尿病をはじめとした生活習慣病および肥満治療のための「AGE牧田クリニック」を東京・銀座で開院、延べ20万人以上の患者を診ている。著書に「医者が教える食事術 最強の教科書」(ダイヤモンド社)ほか、多数。

刺し身に添えるワサビ 醤油で溶かすのが良くない理由

公開日: 更新日:

【Q】刺し身を食べる際、ワサビを醤油で溶かします。昨日、妻から「それはもったいない食べ方らしい」と聞きました。説明してもらいましたが要領を得ません。どういうことですか?

【A】刺し身にワサビを添えるようになったのは江戸時代からだそうです。にぎり寿司の普及と共に広がったそうです。ワサビには細菌やカビ、寄生虫などの増殖を抑える働きがあります。生ものである刺し身にワサビを添えるのは、その効果を期待しているからです。

 先週放送の「金スマ」(TBS系)でも詳しくお話ししましたが、ワサビには栄養的にも優れた働きがあります。そのひとつが辛味のもとであるイソチオシアネート化合物が持つ、血液をサラサラに改善して、血流を改善する効果です。ところが、ワサビを醤油に溶かすと、水溶性であるイソチオシアネート化合物はワサビから流れ出てしまうといわれています。

 もちろん、イソチオシアネート化合物は、醤油に溶いたとしても血液サラサラ効果が期待できることに変わりはありません。しかし、溶けたイソチオシアネート化合物を醤油ごと飲むことはできませんし、できたとしても塩分の取り過ぎでかえって体に良くありません。ですから、刺し身を食べるときは、ワサビを直接刺し身にのせ、逆側に醤油をつけて食べるのが正しいといえます。その方が、素材そのものの味を味わえます。

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