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天野篤順天堂大学医学部心臓血管外科教授

1955年、埼玉県蓮田市生まれ。日本大学医学部卒業後、亀田総合病院(千葉県鴨川市)や新東京病院(千葉県松戸市)などで数多くの手術症例を重ね、02年に現職に就任。これまでに執刀した手術は6500例を超え、98%以上の成功率を収めている。12年2月、東京大学と順天堂大の合同チームで天皇陛下の冠動脈バイパス手術を執刀した。近著に「天職」(プレジデント社)、「100年を生きる 心臓との付き合い方」(講談社ビーシー)、「若さは心臓から築く 新型コロナ時代の100年人生の迎え方」(講談社ビーシー)がある。

食事と心臓疾患の関係 研究結果に右往左往してはいけない

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 このところ、心臓疾患と食事の関係についての研究が盛んに実施されています。最近では、カナダの研究チームが「乳製品の摂取が心臓疾患による死亡や発生リスクの低下に関連している」と報告しています。世界21カ国、約13万6000例を2003年1月から18年7月まで追跡したところ、牛乳やヨーグルトなどの乳製品の摂取量が多いほど、主要心血管疾患と死亡の複合イベント(心血管死、非致死性の心筋梗塞脳卒中または心不全)の発生リスクが低いことがわかりました。

 また、オーストラリアの研究では「青魚に多く含まれるオメガ3系脂肪酸は乳児の心臓病のリスク因子が改善する」と報告しています。これまでも、オメガ3系脂肪酸は心臓疾患のリスク因子である肥満や、糖尿病に関係するインスリン抵抗性を改善することがわかっていました。それが今回、成人だけでなく子供にも有効な可能性が指摘されたのです。

 当院でも、食事と心臓疾患の関連性についての調査を行っています。何を食べたか……といった内容についてではなく、患者の満腹度や食事環境の違いを比較するもので、たとえば「食事の回数が不規則な人と、規則正しい人では心臓疾患の発症率に差はないのか」といったデータを集めています。

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