痛みや恐怖感を減らす VRで“気をそらす治療”の凄い効果

公開日: 更新日:

 この理論を応用して、痛みの強い患者に対して医師は絵や音楽、マッサージや瞑想などを勧めてきた。最近ではテレビゲームでの効果が報告され注目されていたが、それを上回る結果をVRが出しているという。

「海外の報告では、片足に重度のやけどを負い、医療用ホチキスが必要な16歳の少年は、テレビゲームで気をそらしたときは治療時間の96%を痛みについて考えたと答えたそうです。ところが、VRでは2%しか痛みについて考えなかったというのです」

 この方法が凄いのは、一度VRによる効果を実感すると脳がそのことを記憶して、VRを見ていなくてもある程度痛みを抑えることができる点だ。

「日本ではがんの緩和ケアなど限定的にしか使われていない『オピオイド系鎮痛剤(医療用麻薬)』ですが、米国では乱用による依存症が深刻で、現在200万人以上の患者がいて年間6万人が過剰摂取で亡くなっているともいわれています。だからこそ、このVRディストラクションによる治療が期待されていて、日本でもその効果に注目が集まっているのです」

リハビリにも応用できる

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    無教養キムタクまたも露呈…ラジオで「故・西田敏行さんは虹の橋を渡った」と発言し物議

  2. 2

    キムタクと9年近く交際も破局…通称“かおりん”を直撃すると

  3. 3

    吉川ひなのだけじゃない! カネ、洗脳…芸能界“毒親”伝説

  4. 4

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  5. 5

    竹内結子さん急死 ロケ現場で訃報を聞いたキムタクの慟哭

  1. 6

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  2. 7

    木村拓哉"失言3連発"で「地上波から消滅」危機…スポンサーがヒヤヒヤする危なっかしい言動

  3. 8

    Rソックス3A上沢直之に巨人が食いつく…本人はメジャー挑戦続行を明言せず

  4. 9

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  5. 10

    立花孝志氏『家から出てこいよ』演説にソックリと指摘…大阪市長時代の橋下徹氏「TM演説」の中身と顛末