著者のコラム一覧
奥野修司ノンフィクション作家

▽おくの・しゅうじ 1948年、大阪府生まれ。「ナツコ 沖縄密貿易の女王」で講談社ノンフィクション賞(05年)、大宅壮一ノンフィクション賞(06年)を受賞。食べ物と健康に関しても精力的に取材を続け、近著に「本当は危ない国産食品 」(新潮新書)がある。

認知症で引きこもっていた人が外に出るにはきっかけが必要

公開日: 更新日:

「3年前に退職した父が、認知症と診断されたら家に引きこもってしまいました。どうすればいいのでしょうか?」

 こんなケースが少なくない。私が知っている限り男性に多いようだ。とくに社会的地位が高い男性ほど引きこもりやすいといわれる。輝かしい経歴を持ちながら、認知症になったことにプライドが許せないのだろうか。実際、引きこもっていた当事者にたずねるとこう言われた。

「認知症になったら、いずれ話ができなくなって徘徊もするんだろうな。こんな病気になって恥ずかしい。誰にも見られたくない。そう思ったら外に出られなくなった」

 認知症になって引きこもると、症状が早く進行するといわれる。放っておけばうつ病になることも多い。かといって、家族が外に連れ出そうとしても、なかなか本人は外に出てくれない。ではどうすればいいのか。

 引きこもっていた人が外に出るには、何らかのきっかけが必要のようである。

 たとえば広島の竹内裕さんは、同期生の還暦祝いに無理やり連れ出され、酒を飲んでいるうちに居直ったという。佐世保の福田人志さんは、自分が創作した「壱行の歌」の展示会を開いたことがきっかけでカミングアウトした。

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