離れて暮らす老親に突然のがん宣告…「看取り」経験を聞く
どのタイミングでどういうふうに伝えるかなども、医療コーディネーターに相談に乗ってもらった。今は告知が当然。主治医も「告知が基本」という意見でしたが、最終的には家族の意見が尊重されました。
もうひとつ感じたことを挙げると、オプションをたくさん考えた方がいい。緩和ケア以外の選択肢はないのか、退院したらどうなるのか、などです。これらは自分から聞かないと教えてくれない。私は有料老人ホームについても調べていましたし、一時的に自宅に戻った時、医師の往診を受ける準備もしていました。結局、母親は急性期病院に入院中に転んで骨折し、自宅に戻れず、緩和ケア病棟に移って1週間もしないうちに亡くなったのですが……。
今は父親が一人暮らし。ケアマネに相談し、慣れるまではヘルパー週3回、デイケア週2回、計5日は1日1回だれかと顔を合わせて話せる状況をつくっていました。私も1日2回、国際電話をかけています。握るだけで救急信号がセキュリティー会社に送信されるペンダントも渡している。さまざまなサポートを利用すれば、高齢の親でも一人暮らしは可能だと感じています。
ただし、それも自分で体を動かせる間。歩けなくなったらどうする? それは老人ホームだよね――。母親の死をきっかけに、父親と話し合うことができました。
(談・シェリーめぐみ)