【鳥の唐揚げ】鶏肉のカルノシンで体の酸化や糖化を抑える

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発酵食品<2>生麹

 日本酒の誕生とともに生まれた麹には、たくさんの種類の酵素が含まれています。それらの酵素にはでんぷんやタンパク質を分解してうま味成分のアミノ酸をつくり出したり、肉を軟らかくしたりする作用があります。

 以前から塩麹がブームですが、中には発酵を止めているものや、塩分過多のものもあります。うま味を増し、生活習慣病予防につながる効果が期待できるのに、必要以上の塩分を摂取してしまえば台無しです。なので、わたしは良質な生麹を利用し、適度な塩分を後から加えるようにしています。冷凍しておけば、日持ちもしますから。

 鶏肉には体の酸化や糖化を抑えるカルノシン、皮膚や粘膜の健康を維持するビタミンB6が豊富に含まれているため、老化防止に効果的な食材です。今回は生麹を利用してうま味を加え、肉を軟らかくします。

 唐揚げは2度揚げすることによって、中をフワッとジューシー、外をカリッとさせます。いったん揚げ油から引き揚げて空気に触れると、表面に水分が出てくるので、もう一度、揚げることによって表面の水分を飛ばしてやるのです。

 生麹を使った浅漬け風サラダは、冷蔵庫の残り野菜を利用します。浅漬けはもちろん、しっかり漬けたものもおいしくいただけます。日を追うごとに発酵が進み、酸味が強くなるのです。

《材料》
◎鳥もも肉 2枚(皮と余分な脂を除き、包丁で縦に切り込みを入れ、大きめの一口大に切る)
◎生麹 大さじ2
◎塩 小さじ1と2分の1
◎にんにくのすりおろし 小さじ1
◎白胡椒 少々
◎酒 大さじ3
◎片栗粉 適量
◎揚げ油 適量
◎レモン 適量

《作り方》
(1)鶏肉、生麹、塩、にんにく、白胡椒、酒を合わせ15分おく(写真)。鶏肉の水気を軽く拭き取り、片栗粉をまぶす。
(2)揚げ油を150度に熱し、鶏肉を薄いキツネ色になるまで揚げたら取り出し、油を切る。5分おいて、170度の油で2度揚げ。油を切り、盛り付けたら、好みでレモンを搾っていただく。

■簡単浅漬け風サラダ


 キャベツ、キュウリ、赤ピーマンなどを食べやすい大きさに切り、しょうがの千切り、塩少々(思ったより控えめに)と和える。水気が出てくるのを待って味見。足りなければ塩を加える。生麹と米酢を少量足して密封袋に入れ、冷蔵庫で1時間から一晩なじませて、いただく。野菜は大根、セロリ、ニンジンなども向く。

▽松田美智子(まつだ・みちこ) 女子美術大学非常勤講師、日本雑穀協会理事。ホルトハウス房子に師事。総菜からもてなし料理まで、和洋中のジャンルを超えて、幅広く提案する。自身でもテーブルウエア「自在道具」シリーズをプロデュース。著書に「季節の仕事 」「調味料の効能と料理法」など。

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