右側の腹痛に注意!死をも招く「総胆管結石」の疑いあり
もし、結石が外れれば、痛みがウソのように治まる。しかし必ずしも外れるわけではない。
「すると十二指腸側から細菌が侵入し、胆管全体で細菌が繁殖し炎症が起こる。これが胆管炎で、細菌の繁殖が肝臓まで及ぶと、肝臓は血流が豊富なので、全身に細菌が回る。敗血症で死に至ることもある。だから、総胆管結石は速やかな治療が必要なのです」
腹痛で受診し、総胆管結石による胆管炎を起こしている場合、内視鏡の緊急手術になる。結石が詰まっている出口からステント(ストローのようなプラスチックの筒)を入れ、胆汁が流れるようにする。点滴で胆管炎の治療を行い、炎症が治まったら、2度目の内視鏡で結石を取る。入院期間は10日ほど。
■痛みが治まっても危険は去っていない
では、結石が外れたら? 腹痛はウソのように治まるが、“一件落着”とはならない。
「総胆管結石が十二指腸側に流れていればいいですが、外れて胆管に戻ったことも考えられる。ほかに総胆管結石があるかもしれない。画像検査で確認すべき。CTやMRIで総胆管結石がなくても、超音波内視鏡の検査を行ったほうがいい」