著者のコラム一覧
武神健之日本ストレスチェック協会代表理事

東京大学医学部大学院卒。一般社団法人日本ストレスチェック協会代表理事。年間1000件の健康相談、ストレス・メンタルヘルス相談を行う。著書に「職場のストレスが消える コミュニケーションの教科書 上司のための『みる・きく・はなす』技術」(きずな出版)などがある。

家族のサポートが不可欠 夫がうつに! その時、妻は…

公開日: 更新日:

 その後の会社との付き合い方は?

「多くの場合、人はストレス源から離れることで悩みやストレスは減り、メンタルヘルス不調は改善します。なので、基本的には仕事を辞めれば、たいていの場合、その症状も病気も治ります。一方、その時に『住宅ローンがあるから』『次の仕事が見つからない』『近所の人にどのような顔をすればいいの?』と仕事から距離を置くことを許さない家族があることも。この場合は簡単には治りません。なので、最悪の場合に備えておくことが大切です。治療により会社を休むことなく調子が戻ればいいのですが、休まざるを得ない場合は、最長何カ月休めるのか、いつまでなら給与が出るのか、その後の傷病手当(健保組合からの補償はいくらでいつまでか)などを知っておくことです」

 その上で対策を練ればいいわけだ。

「私の元へ相談に来られたケースでは、奥さまがご主人に通院を勧めたところ、本人も同意し、最初からメンタルクリニックに受診されました。ご主人は、新しい職場の上司に他人のミスをかぶらされたり、自分だけがたくさん仕事をするようになっていて、疲れて仕事を続けていく自信がない、辞めたいと言っているとのことでした。その後、主治医から『薬を飲み始めて、もうちょっと働いてみましょう』と睡眠導入剤と軽めの抗うつ剤を処方されて勤務を継続したところ、奥さまのサポートもあり、徐々に回復したとのことでした。仕事を辞めなくてよかったと奥さま。ご主人に寄り添いながら治療に当たったのが功を奏したようです」

 労働者の6割が何らかのストレスや悩みを持っている現代。だからこそ家族に味方になってもらう必要がある。

(構成・中森勇人)

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    遠山景織子の結婚で思い出される“息子の父”山本淳一の存在 アイドルに未練タラタラも、哀しすぎる現在地

  2. 2

    桜井ユキ「しあわせは食べて寝て待て」《麦巻さん》《鈴さん》に次ぐ愛されキャラは44歳朝ドラ女優の《青葉さん》

  3. 3

    “貧弱”佐々木朗希は今季絶望まである…右肩痛は原因不明でお手上げ、引退に追い込まれるケースも

  4. 4

    元横綱白鵬「相撲協会退職報道」で露呈したスカスカの人望…現状は《同じ一門からもかばう声なし》

  5. 5

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  1. 6

    西内まりや→引退、永野芽郁→映画公開…「ニコラ」出身女優2人についた“不条理な格差”

  2. 7

    永野芽郁“二股不倫”疑惑でCM動画削除が加速…聞こえてきたスポンサー関係者の冷静すぎる「本音」

  3. 8

    佐々木朗希が患う「インピンジメント症候群」とは? 専門家は手術の可能性にまで言及

  4. 9

    綾瀬はるかは棚ぼた? 永野芽郁“失脚”でCM美女たちのポスト女王争奪戦が勃発

  5. 10

    江藤拓“年貢大臣”の永田町の評判はパワハラ気質の「困った人」…農水官僚に「このバカヤロー」と八つ当たり