著者のコラム一覧
神崎浩孝医学博士、薬剤師

1980年、岡山県生まれ。岡山県立岡山一宮高校、岡山大学薬学部、岡山大学大学院医歯薬学総合研究科卒。米ロサンゼルスの「Cedars-Sinai Medical Center」勤務を経て、2013年に岡山大学病院薬剤部に着任。患者の気持ちに寄り添う医療、根拠に基づく医療の推進に臨床と研究の両面からアプローチしている。

漢方薬しか保険診療で認められていない病気や症状もある

公開日: 更新日:

 医療用の漢方と保険診療についてのお話です。医療用医薬品を処方箋でもらう場合と薬店で購入する場合の差や、経済的な違いについては以前お話ししました。今回は「適応」について取り上げます。

 医療用医薬品は、処方箋を薬局に持っていけば一般的には3割負担でもらうことができます。健康保険が利くからです。ただし、どんな薬でも処方できるというわけではなく、「この薬はこの病気とこの病気に出したときのみ保険が利く」といったように、処方できる病気が決まっているのです。

 こうした保険が使える病気や症状を「適応症」といいます。薬は適応のある病気にしか処方できない(処方しても保険が適応されない)のです。適応症は、基本的には薬の添付文書の「効能・効果」に記載されているものが該当します。

「効能・効果」は、最近の薬であればすべて臨床試験に基づいて記載されています。しかし、まだ臨床試験がなかった時代から使われている漢方薬でも、医療用であれば「効能・効果」が記されていて、これに基づいて保険が利くか否かが決まっています。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人原前監督が“愛弟子”阿部監督1年目Vに4日間も「ノーコメント」だった摩訶不思議

  2. 2

    巨人・阿部監督1年目V目前で唇かむ原前監督…自身は事実上クビで「おいしいとこ取り」された憤まん

  3. 3

    松本人志は勝訴でも「テレビ復帰は困難」と関係者が語るワケ…“シビアな金銭感覚”がアダに

  4. 4

    肺がん「ステージ4」歌手・山川豊さんが胸中吐露…「5年歌えれば、いや3年でもいい」

  5. 5

    貧打広島が今オフ異例のFA参戦へ…狙うは地元出身の安打製造機 歴史的失速でチーム内外から「補強して」

  1. 6

    紀子さま誕生日文書ににじむ長女・眞子さんとの距離…コロナ明けでも里帰りせず心配事は山積み

  2. 7

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  3. 8

    メジャー挑戦、残留、国内移籍…広島・森下、大瀬良、九里の去就問題は三者三様

  4. 9

    かつての大谷が思い描いた「投打の理想」 避けられないと悟った「永遠の課題」とは

  5. 10

    大谷が初めて明かしたメジャーへの思い「自分に年俸30億円、総額200億円の価値?ないでしょうね…」