負荷をかけ過ぎない運動や生活習慣が心臓を強くする
■自分を過信してはいけない
自分にとって最適な強度や頻度の運動や習慣を確認すると同時に、「自分を過信しない」ことも大切です。私は健康だから大丈夫、もう治ったから問題ない……と思っていても、実際は病状が悪かったというケースもあるのです。
去る5月、かつて日本外科学会会長を務めた医師が77歳で急逝されました。2006年に著名なプロ野球監督の胃がん手術チームのリーダーを務めた方で、低侵襲手術の第一人者でした。77歳のご高齢でしたが、普段からジムに通ってトレーニングを続け、会合にも積極的に参加するくらい意気軒高でいらっしゃいました。亡くなる直前にお会いした際もお元気だったので、訃報を聞いたときは信じられない思いでした。
いつものようにジムで体を動かしてから帰宅すると「今日は調子が悪い」と言われたとかで、その後に状態が悪化して病院に搬送され、心不全でお亡くなりになったといいます。
周囲もそうですが、ご本人も自分の体の状態がそこまで悪くなっていたとは想像もしていなかったに違いありません。著名な医師でも“まさか”というケースがあるのです。
心臓になんらかのトラブルがある人はもちろん、心臓疾患の家族歴や生活習慣病を抱えている人は、自分で調子が良いと思っていても、必ず医学的な第三者評価を定期的に受けておくことが命を守ることにつながります。