中川恵一
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中川恵一東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

新型コロナウイルス がん患者は抗がん剤治療後に特に注意

公開日: 更新日:

 新型コロナウイルス(2019―nCoV)の感染が拡大し、パニックが広がっています。新しい感染症はだれでも怖いものですが、本当にそうでしょうか。

 中国の疾病管理予防センター(CDC)は、2月11日までに感染が確認された4万4672人についてのデータを分析。その発表によると、感染者のうち80・9%が軽症で、重い肺炎や呼吸困難などの重症は13・8%、呼吸器不全や多臓器不全、敗血症など生命を左右する重篤な症状は4・7%。重篤な人のうち1023人が死亡したことで、全体の致死率は2・3%だったといいます。

 しかし、感染の“震源地”である中国の武漢を除くと、致死率は0・2~0・4%ほどに低下。0・1%未満といわれる季節性インフルエンザより高いものの、パニックを起こすほどではありません。

 致死率を年代別にみると、40代以下は0・4%ですが、50代は1・3%、60代は3・6%に上昇。さらに70代は8・0%、80代以上は14・8%と、年代が上がるにつれて増えるのです。

 がんも、年齢とともに発症リスクがアップ。男性の場合、55歳までにがんになる可能性は5%程度ですが、65歳では15%にアップし、75歳では30%を超えます。

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