肺炎だけだと思ったら大間違い 心臓の機能低下にも要注意
「そうでなくても新型コロナウイルス感染症は糖尿病や高血圧、心血管・脳血管などに問題がある患者さんが感染すると、重症化しやすいことが知られています。心臓と肺は元来、密接なつながりがあり、肺炎で十分な酸素を摂取できなくなれば、呼吸を頻繁に行い補おうとします。すると脈拍も自動的に速くなる。既に心臓が弱かったり動脈が詰まっていたりすると、体中に血液と酸素を送るために、より心臓に負担をかけることになる。それが心臓へのダメージにつながるのかもしれません」
欧米では糖尿病や高血圧になりやすい肥満の人は、新型コロナウイルス感染症の重症化リスクが高いことが指摘されている。
英国の集中治療室に運び込まれた新型コロナウイルス感染症672人のBMI(体格指数)を調べたところ、672人中231人が25~29の「太り気味」、208人が30~39の「肥満」、45人が40以上の「深刻な肥満」だったという。しかもBMI40以上の人は、56人中18人しか生き残れなかったという。米国でも同様の指摘がある。
「新型コロナウイルス感染症ではアジアより欧米の死者が目立ちますが、それは新型コロナが心臓の機能を低下させることと関係しているのかもしれません」