なぜ「基本再生産数」と「致死率」が注目されるのか?
東京など7都府県に緊急事態宣言が出てから2週間。コロナ疲れ、テレワーク疲れでうんざりしている人も多いのではないか。経済活動再開はいつになるのか。
そこで注目されているのが「基本再生産数」(R0=1人の感染者から、新規の感染者が何人発生するかを示した数字)だ。専門家会議でもたびたび取り上げられ、これが1・0未満なら流行は収まりつつあることを意味する。
現在、日本の新型コロナウイルスのR0は、2・5程度と考えられており、経済活動再開は程遠い状態だ。しかし、これは季節性インフルエンザと変わらないレベル。インフルエンザにはワクチンも治療薬もあるとはいえ、緊急事態宣言も、R0を下げるための経済封鎖も行われない。なぜか。長浜バイオ大学(医療情報学)の永田宏教授が言う。
「新型コロナウイルスの『致死率』が2%を超えるとされるのに対してインフルエンザのそれは0・1%程度と低いからです。つまり、感染してもインフルエンザはさほど深刻ではないと考えられているからです」
現在、多くの国ではじき出されている新型コロナの致死率は、2%前後。致死率は検査数が少なければ高めに、多ければ低めに出る。そのため、先進諸国のなかで、人口当たりのPCR検査数がもっとも多い韓国の「致死率」を参考に、自国の「致死率」が高いか低いかを判断する傾向にある。