唾液を使ったPCR検査が可能に 北大教授の画期的研究が進む
今のPCR検査のやり方(綿棒方式)の問題点は、熟練した採取者の確保が困難なことや、採取者や周囲の感染リスクがあること、隔離された採取場所が必要なこと――が挙げられます、しかし、この唾液を使ったPCR検査だと、容器に唾を吐いてもらうなどして検体を採取して調べることができます。これだと感染のリスクも抑えられるし、隔離された場所も必要ありません。ただでさえ、ひっ迫する防御具を浪費する心配もないのです。今のところ臨床段階ですが、綿棒採取と唾液採取の結果は変わりません」
米ラトガース大の試験によると、60人に対する綿棒方式と唾液採取によるPCR検査の結果は同じ。イェール大の試験では、新型コロナウイルスのPCR検査の検体として、咽頭ぬぐい液よりも唾液の方が、ウイルス量が約5倍多かったという。
「海外のデータを取り入れながら症例を重ね、いずれは(唾液採取に)切り替えた方がいいのではないか」(豊嶋教授)
今後の展開に注目だ。