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池田陽子薬膳アテンダント・食文化ジャーナリスト

薬膳アテンダント・食文化ジャーナリスト・全日本さば連合会広報担当サバジェンヌ。国立北京中医薬大学日本校(現・日本中医学院)で国際中医薬膳師資格を取得。近著「1日1つで今より良くなる ゆる薬膳。365日」が好評発売中。

慢性的な下痢にはナガイモ・もち米・豆で「脾」を強化する

公開日: 更新日:

 大事な商談中だというのにお腹の調子が悪くて気もそぞろ。通勤電車の中で遅刻ギリギリなのにトイレに行かないと耐えきれない! 肝心なときに襲ってくる下痢。薬膳の力でお腹のピンチを乗り越えましょう。

 下痢はタイプによって対策が異なります。まずは「突発性の激しい下痢」。冷たいもの、生ものの食べ過ぎや、冷房の効き過ぎた部屋に長時間いた、あるいはなんらかの食あたりが原因となるケースです。この場合、お腹の冷えを解消するとともに、殺菌作用のある食材を取り入れることが改善のポイントです。

 おすすめは青じそ。高い殺菌と解毒作用があるとともにお腹を温めてくれるという、まさに「下痢ストッパー」食材。特に魚介類による食あたりの予防、吐き気や下痢の改善に優れています。また、ショウガやネギも冷たいものを取り過ぎたときの下痢に効果的。梅干しも整腸作用があり、腸の働きを回復させて下痢を止め、強い抗菌作用で食あたりに効果を発揮します。

 フルーツでは、りんごが腸の働きを整え、改善に役立ちます。飲みものはほうじ茶がおすすめです。

 一方、日頃から下痢や軟便に悩まされている「慢性的な下痢」の場合は、消化をつかさどる臓器「脾」の働きが弱いことが原因。もともと疲れやすくて体力がなく、胃痛、食欲不振といったトラブルがある人に多く見られます。こちらは、脾を力づけて、消化・吸収を高める食材を取り入れることが大切です。

 脾のパワーアップにはイモ類が役立ちますが、特におすすめなのがナガイモ。滋養強壮にパワフルな効果を発揮し、脾を丈夫にして吸収力を高め、慢性的な下痢を改善します。

 もち米も「お腹弱い系」の強い味方。脾の働きを強めるとともに、お腹を温めて消化吸収力をアップし、軟便を解消します。また、体内から液体が漏れ出すのを防ぐ「固摂作用」が高いため、下痢止め防止効果がバツグン。

 そのほか、豆類やハトムギも改善に役立ちます。

■慢性的な下痢改善薬膳レシピ

赤飯とろろ茶漬け

 脾の働きを強めて下痢の改善に役立つナガイモと、もち米と豆を使った赤飯を組み合わせたレシピ。市販の赤飯おにぎりを使えば手軽に完成。やさしい甘味のもち米ととろろ入りの出汁の相性はばっちり。しみじみ癒やされる味わいです。

【材料】2人分
●赤飯おにぎり (市販)  2個
●ナガイモ  10センチ
●刻みネギ  適量
●出汁 湯2カップ、めんつゆ大さじ8

【作り方】茶わんに赤飯おにぎりを入れて出汁を注ぎ、皮をむいてすりおろしたとろろをのせて、刻みネギをちらす。おにぎりを崩して全体を混ぜて食べる。

■突発性下痢改善薬膳レシピ

和風ホットりんごジュース

【材料】2人分
●りんごジュース  2カップ
●青じそ  6枚
●ショウガのすりおろし  大さじ1
●黒砂糖  適量

【作り方】りんごジュースをレンジで30秒加熱し、ショウガのすりおろし、黒砂糖を加えて混ぜ合わせ、青じそをのせる。

【連載】秒速薬膳でアッという間に健康に

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