著者のコラム一覧
葉山惟大日本大学医学部付属板橋病院皮膚科病棟医長/皮膚科専門医

アレルギー性皮膚疾患(薬疹)使い始めの薬で起こりやすい

公開日: 更新日:

 全ての薬にはアレルギーを起こす可能性があります。説明書の副作用の欄に薬疹が書いていない薬は、ほぼありません。 初期症状としては、かゆみを伴う赤い発疹など。そのうち全身の皮膚が真っ赤になり、痛みが出て発熱も伴うようになります。それほど多くはありませんが、重症化して皮膚がズルむけになると入院治療が必要となります。

 一番多いパターンは使い始めの薬による薬疹です。薬に含まれる成分がアレルゲンとなって、アレルギー反応を起こすのです。薬を使い始めて、およそ1~2週間で発症することが多い。その場合、まずは原因と疑われる薬を飲むのをやめることです。ただし、重要な薬剤かもしれませんので必ず処方してもらった医師に確認しましょう。

 長期にわたって飲んでいる薬だからといって安心というわけではありません。一般的に薬疹になりやすい薬には、抗生物質、痛み止めが挙げられます。高血圧の薬、尿酸値を下げる薬、神経に作用する薬なども比較的多く、最近では抗がん剤による薬疹が増えています。

 原因となる薬が長期服用、多剤服用をしていると、私たちも原因を突き止めることが難しくなります。疑わしい薬を中止して薬疹が引けば、その薬が一番怪しいのですが、実際には多数の薬を内服している人が多いのでどれが原因か分かりにくいのです。治った後に採血のアレルギーテストやパッチテストなどを試みても陽性にならず、この薬が原因ですとはっきり言えないケースも多々あります。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  2. 2

    米挑戦表明の日本ハム上沢直之がやらかした「痛恨過ぎる悪手」…メジャースカウトが指摘

  3. 3

    陰で糸引く「黒幕」に佐々木朗希が壊される…育成段階でのメジャー挑戦が招く破滅的結末

  4. 4

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  5. 5

    巨人「FA3人取り」の痛すぎる人的代償…小林誠司はプロテクト漏れ濃厚、秋広優人は当落線上か

  1. 6

    斎藤元彦氏がまさかの“出戻り”知事復帰…兵庫県職員は「さらなるモンスター化」に戦々恐々

  2. 7

    「結婚願望」語りは予防線?それとも…Snow Man目黒蓮ファンがざわつく「犬」と「1年後」

  3. 8

    石破首相「集合写真」欠席に続き会議でも非礼…スマホいじり、座ったまま他国首脳と挨拶…《相手もカチンとくるで》とSNS

  4. 9

    W杯本番で「背番号10」を着ける森保J戦士は誰?久保建英、堂安律、南野拓実らで競争激化必至

  5. 10

    家族も困惑…阪神ドラ1大山悠輔を襲った“金本血縁”騒動