著者のコラム一覧
堀田秀吾明治大学教授、言語学者

1968年生まれ。言語学や法学に加え、社会心理学、脳科学の分野にも明るく、多角的な研究を展開。著書に「図解ストレス解消大全」(SBクリエイティブ)など。

どんな性格の人でも他人の幸せを願うと自分が幸せになれる

公開日: 更新日:

【グループ1】その人が幸せになってほしいと優しい気持ちを抱く

【グループ2】その人と自分にはどんな共通点がありそうか考えてみる

【グループ3】その人より自分のほうが優れていそうな点はどこかを考える

【グループ4】その人の服装や持ち物について考察してみる

 このように4つの考え方を持つグループに分けて実験を行い、その上で散歩の前後に不安、幸福度、ストレス、共感性、他者とのつながりなどの要素をスコア化しました。

 その結果、【グループ1】の他人の幸福を願うグループがもっとも幸福度が高く、不安が減少し、共感性や他者とのつながりにおいてもプラスの作用が働いたことがわかったそうです。さらに興味深いのは、個人差が実験結果にほとんど影響をもたらさなかった点です。つまり、自己愛が強いナルシシストな人でも、協調性のある人でも、他人の幸せを願った人たちは等しく効果があったのです。

 また、米ヒューストン大学のラッドらの研究(2014年)によれば、利他的な行為の中でも、より身近かつ具体的な行為をする方が、自身の幸福度を高めることが判明しています。研究では、「社会貢献をしよう」といった抽象的な目標の行動より、「他人を笑顔にする」や「リサイクルの量を増やす」などの、より具体的で実行に移しやすい行動を行った被験者の方が、幸福度が高いという結果。「情けは人のためならず」には科学的根拠があったのです。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人原前監督が“愛弟子”阿部監督1年目Vに4日間も「ノーコメント」だった摩訶不思議

  2. 2

    巨人・阿部監督1年目V目前で唇かむ原前監督…自身は事実上クビで「おいしいとこ取り」された憤まん

  3. 3

    松本人志は勝訴でも「テレビ復帰は困難」と関係者が語るワケ…“シビアな金銭感覚”がアダに

  4. 4

    肺がん「ステージ4」歌手・山川豊さんが胸中吐露…「5年歌えれば、いや3年でもいい」

  5. 5

    貧打広島が今オフ異例のFA参戦へ…狙うは地元出身の安打製造機 歴史的失速でチーム内外から「補強して」

  1. 6

    紀子さま誕生日文書ににじむ長女・眞子さんとの距離…コロナ明けでも里帰りせず心配事は山積み

  2. 7

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  3. 8

    メジャー挑戦、残留、国内移籍…広島・森下、大瀬良、九里の去就問題は三者三様

  4. 9

    かつての大谷が思い描いた「投打の理想」 避けられないと悟った「永遠の課題」とは

  5. 10

    大谷が初めて明かしたメジャーへの思い「自分に年俸30億円、総額200億円の価値?ないでしょうね…」