著者のコラム一覧
佐々木常雄東京都立駒込病院名誉院長

東京都立駒込病院名誉院長。専門はがん化学療法・腫瘍内科学。1945年、山形県天童市生まれ。弘前大学医学部卒。青森県立中央病院から国立がんセンター(当時)を経て、75年から都立駒込病院化学療法科に勤務。08年から12年まで同院長。がん専門医として、2万人以上に抗がん剤治療を行い、2000人以上の最期をみとってきた。日本癌治療学会名誉会員、日本胃癌学会特別会員、癌と化学療法編集顧問などを務める。

心配を分かってもらえていない…不安を抱えるがん患者の気持ち

公開日: 更新日:

 乳がん治療を続けているKさん(63歳・女性)のお話です。

 ◇ ◇ ◇

 ある日のお風呂上がり、右乳腺に約3センチ大のしこりがあることに気づきました。乳がんではないかと思って、すぐにS病院の乳腺外科を受診したところ、担当医から「腋窩のリンパ節腫大もある」と言われました。針を刺して組織を採る針生検で、がんであることが確認され、ステージⅡBとの診断でした。

 担当医の勧めで、手術前に抗がん剤による化学療法を行いました。新型コロナ流行下だったこともあり、病院の外来治療はとても不安で緊張の連続でしたが、幸い腫瘤は触れにくくなるほど小さくなり、その点ではホッとしました。

 抗がん剤の影響で、髪の毛はすべてバッサリ抜けました。

「どうせいつかは死ぬ。みんなに迷惑だけはかけたくない」

 そう思いながら日々を過ごしました。

 手術を受け、麻酔から目が覚めたあと、担当医から「完璧な手術でしたよ」と言葉をかけられました。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    遠山景織子 元光GENJI山本淳一との入籍・出産騒動と破局

  2. 2

    巨人「松井秀喜の後継者+左キラー」↔ソフトB「二軍の帝王」…電撃トレードで得したのはどっち?

  3. 3

    反撃の中居正広氏に「まずやるべきこと」を指摘し共感呼ぶ…発信者の鈴木エイト氏に聞いた

  4. 4

    巨人のW懸案「ポスト岡本和真&坂本勇人」を一気に解決する2つの原石 ともにパワーは超メジャー級

  5. 5

    永野芽郁&田中圭の“不倫LINE”はどこから流出したか? サイバーセキュリティーの専門家が分析

  1. 6

    松本潤、櫻井翔、相葉雅紀が7月期ドラマに揃って登場「嵐」解散ライブの勢い借りて視聴率上積みへ

  2. 7

    吉岡里帆&小芝風花の電撃移籍で様変わりした芸能プロ事情…若手女優を引きつける“お金”以外の魅力

  3. 8

    【今僕は倖せです】のジャケットに表れた沢田研二の「性格」と「気分」

  4. 9

    吉田拓郎の功績は「歌声」だけではない イノベーションの数々も別格なのだ

  5. 10

    裏金自民が「11議席増」の仰天予想!東京都議選告示まで1カ月、飛び交う“怪情報”の思惑