著者のコラム一覧
石原藤樹「北品川藤クリニック」院長

信州大学医学部医学科大学院卒。同大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科研修を経て、1998年より「六号通り診療所」所長を務めた。日本プライマリ・ケア学会会員。日本医師会認定産業医・同認定スポーツ医。糖尿病協会療養指導医。

円形脱毛症に関節リウマチの薬が効く!?自己免疫に関係か

公開日: 更新日:

 円形脱毛症というのは、その名の通り円く毛が抜けるという症状が特徴で、俗に「10円ハゲ」などと言われることもあります。強いストレスを受けると一時的に起こることがあり、それはまた改善しますが、全身の毛が全て抜けてしまうというような重症のケースもあります。その原因はまだ不明ですが、自己免疫といって、自分の体を自分で攻撃して炎症を起こすという仕組みが関係しているという考え方があります。

 自己免疫は多くの病気の原因になり、その代表のひとつが関節リウマチです。この病気では、自己免疫によって関節の炎症や変形が起こるのです。

 この関節リウマチの治療薬のひとつに、JAK阻害剤という薬があります。細胞の中にあるJAK(ヤヌスキナーゼ)という酵素を抑える飲み薬で、自己免疫の炎症を抑える働きがあるのです。

 それでは、同じ自己免疫が関連している円形脱毛症に、JAK阻害剤は効果があるのでしょうか? 今年のニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシンという一流の医学誌に、円形脱毛症にJAK阻害剤を使用した臨床試験結果が報告されています。それによると、重症の円形脱毛症の症状が、関節リウマチに使用しているのと同じ量のJAK阻害剤で、改善することが明らかとなったのです。円形脱毛症は将来治る病気になるかもしれません。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    無教養キムタクまたも露呈…ラジオで「故・西田敏行さんは虹の橋を渡った」と発言し物議

  2. 2

    キムタクと9年近く交際も破局…通称“かおりん”を直撃すると

  3. 3

    吉川ひなのだけじゃない! カネ、洗脳…芸能界“毒親”伝説

  4. 4

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  5. 5

    竹内結子さん急死 ロケ現場で訃報を聞いたキムタクの慟哭

  1. 6

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  2. 7

    木村拓哉"失言3連発"で「地上波から消滅」危機…スポンサーがヒヤヒヤする危なっかしい言動

  3. 8

    Rソックス3A上沢直之に巨人が食いつく…本人はメジャー挑戦続行を明言せず

  4. 9

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  5. 10

    立花孝志氏『家から出てこいよ』演説にソックリと指摘…大阪市長時代の橋下徹氏「TM演説」の中身と顛末