糖尿病網膜症(1)日本の糖尿病患者の15%が患う目の病気
新型コロナによる巣ごもり生活で血糖値が上がり、糖尿病予備群や糖尿病を発症する60代以上が増えている。そこで注意したいのが糖尿病網膜症だ。どんな病気か? 自由が丘清澤眼科の清澤源弘院長に聞いた。
「年単位の高血糖が原因で目の奥にある網膜の微細血管が障害を受けて、目がかすんだり、視力が低下する病気です。中途失明原因の上位に数えられるだけに、中高年が気をつけなければならない目の病気です」
日本人の糖尿病患者のうち約15%が罹患しているといわれ、推定患者数は約140万人とされる。年間約3000人の失明を引き起こし、2015年度の視覚障害の実態調査で成人の失明原因疾患の第3位となっている。
「目立った症状がないため、初期ではほとんどで気づかず、症状を自覚したときには病期が進んでいたというケースが少なくありません。それでも、初期に網膜の損傷した血管からの出血により、視野全体に斑点や糸くずのようなものが表れる『飛蚊症』を発症することがあります。そのほとんどは自然に消えますが、糖尿病を自覚してなくても飛蚊症、かすみ目、そのほかの視力喪失を経験し、医師に確認した方がいいでしょう」