なぜ「おひとりさま死」は在宅を選択肢に入れるべきなのか(2)
とはいえ、自宅の看取りには多額な費用が必要ではないのか。
「決して特別な費用がかかるわけではなく、すべて医療保険、介護保険の中で収入に応じた上限のもとでサポートを受けることができます。おひとりさまの自宅近くに家族が暮らしている場合には、介護を全面的にプロに任せたからこそ、見舞うたびに愛情を注げたとおっしゃる方もおられます。また、まったく身寄りがない人の中には『人生で初めてこんなにいろんな人たちによくしてもらった』と涙ぐむ人もおられます」
ひとりで亡くなると、警察が介入して大変になるのではないのか。
「在宅チームが関わり、亡くなるまでに至る自然な経過があれば(事件性のある事案でなければ)、警察などの介入は一切ありません」
「孤独な最期」を迎えさせないためにも、おひとりさまの在宅診療も一つの選択肢なのである。