ステージ4の前立腺がんでも抗がん剤が劇的に効くことも
がんの疑いと聞いて、愕然としました。2人に1人はがんになる時代と聞いていましたが、とうとう自分にもきたか。それにしても肺と骨にがんがあるとすると、もう、末期なのかもしれない……。仕事をどうするか、離れて暮らしている息子にはいつどう話すか、お墓は、お金は……いろいろな思いが頭の中を堂々めぐりして、不安が募りました。
それでも、「まだがんと確定したわけではない。検査が終わってから考えよう。良い結果だってあるかもしれない」と、自分で自分を励ましていました。
翌週、検査を終えた3日後にその結果を聞くことになりました。総合内科の担当医から、「肺には腫瘤が3カ所あって、がんの転移が考えられます。骨にも何カ所か転移と思われる影があります。それから、PSAという前立腺がんの腫瘍マーカーが異常に上昇しています。前立腺がんが疑われます。泌尿器科を紹介しますから診てもらってください」と説明を受けました。
私は「やっぱりがんだったか……それにしても、まさか前立腺がんとは考えもしなかった」と思いながら、「どれくらい生きられますか?」と尋ねてみました。すると、「もしがんで、転移があってステージ4だとすると、短いこともありうるかもしれません」と曖昧な答えが返ってきました。