末期がん患者がたどる経過について周囲が知っておくべきこと

公開日: 更新日:

「肺との境界線である横隔膜が押し上げられ呼吸がしづらくなったり、心臓や各種臓器の負担が大きくなって、強い全身倦怠感が出たりします」

 治療は炎症を抑えるステロイドで血管からの水漏れを最小限に防ぐとともにお腹にたまった水分を利尿剤で排出することが大切だ。しかし病院では血管内脱水を防ぐ名目で、腹水でも点滴を継続することがあるという。

「点滴をすると治療しているように思えますが、患者さんを苦しめるだけです。腹水がある場合は、水分量を制限する必要があります。腹水を物理的に抜いてアルブミンだけ体に戻す手技もありますが、腹水を抜くことが血圧を低下させたり、全身の栄養状態を悪化させることにもつながります」

■「痛み」があれば無理に闘わない

 ステロイドは、体の炎症を抑えることになり、肝機能を安定させ、黄疸が減少し、倦怠感が取れることも多いという。

がん終末期には、食欲が低下します。抗がん剤が原因の場合もありますが、抗がん剤をやめた後の食欲低下は、本当の終末期と言えるでしょう。ステロイドで炎症を抑えることで一時的な食欲回復と意識状態の良化にはつながりますが、長くは続きません。その段階で無理に食事や水分を摂取させると『誤嚥肺炎』を発症することも少なくありません」

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1
    岡本和真と村上宗隆のメジャー挑戦に“超逆風” 大谷バブルをブチ壊したMLB先輩野手の期待外れ

    岡本和真と村上宗隆のメジャー挑戦に“超逆風” 大谷バブルをブチ壊したMLB先輩野手の期待外れ

  2. 2
    ロッテ佐々木朗希「強硬姿勢」から一転…契約合意の全真相 球団があえて泥を被った本当の理由

    ロッテ佐々木朗希「強硬姿勢」から一転…契約合意の全真相 球団があえて泥を被った本当の理由

  3. 3
    佐々木朗希の今季終了後の「メジャー挑戦」に現実味…海を渡る条件、ロッテ側のスタンスは

    佐々木朗希の今季終了後の「メジャー挑戦」に現実味…海を渡る条件、ロッテ側のスタンスは

  4. 4
    ドトールに注がれる「石丸効果」都知事選でヒモ付き隠さず3番手から猛追、株価も爆上がり

    ドトールに注がれる「石丸効果」都知事選でヒモ付き隠さず3番手から猛追、株価も爆上がり

  5. 5
    「あぶない刑事」100万人突破で分かった…舘ひろし&柴田恭兵“昭和のスター”の凄みと刑事役の人材不足

    「あぶない刑事」100万人突破で分かった…舘ひろし&柴田恭兵“昭和のスター”の凄みと刑事役の人材不足

  1. 6
    ソフトB山川穂高「無神経ぶり」改めて露呈…31試合ぶり本塁打も身内から異論噴出

    ソフトB山川穂高「無神経ぶり」改めて露呈…31試合ぶり本塁打も身内から異論噴出

  2. 7
    石丸伸二候補に大逆風…「恫喝」訴訟で2連敗、都知事選後の国政進出シナリオも狂いが

    石丸伸二候補に大逆風…「恫喝」訴訟で2連敗、都知事選後の国政進出シナリオも狂いが

  3. 8
    蓮舫候補に一発逆転の「神風」は吹くのか…7.7都知事選「一歩リード」の小池知事を猛追

    蓮舫候補に一発逆転の「神風」は吹くのか…7.7都知事選「一歩リード」の小池知事を猛追

  4. 9
    都知事選最終盤に飛び交う「蓮舫狙い撃ち」の怪情報…永田町に出回る“石丸2位”データの真の狙い

    都知事選最終盤に飛び交う「蓮舫狙い撃ち」の怪情報…永田町に出回る“石丸2位”データの真の狙い

  5. 10
    猛チャージ石丸伸二候補に広がる危機感…広島からは「あんなぁ都知事に押し上げちゃいけん」

    猛チャージ石丸伸二候補に広がる危機感…広島からは「あんなぁ都知事に押し上げちゃいけん」