科学は生き方を教えてはくれないが、人生が変わった人をたくさん診てきた
私の父は、母が結核で長期入院していたこともあり、苦労が絶えなかったと思います。父には親しくしていた同級生のHさんがいて、何かにつけ相談にのっていただいていました。
Hさんは高校の教師をしていましたが、八卦判断が得意でした。私が小学生の頃、こんな出来事があったことを覚えています。
父はA市へ転勤を命じられ、さっそくHさんに相談しました。Hさんいわく、「北の方角が悪い。もし、この悪い運を避けるとすれば、月1回、家に居ないようにしなさい」とのことでした。
父は予定通りA市へ転勤になり、その頃は病気が軽快した母、私の3人で引っ越しました。姉たちは祖父母が住む実家に残ることになりました。
父の給料の一部は実家に仕送りしていましたし、毎月1回、家を留守にする目的で、旅館に泊まるなどの経済的な余裕はなかったと思います。
A市の引っ越し先は、屋根は続いているものの台所から板の間があり、そこを渡って風呂場がありました。父の判断で、月1日24時間は家を留守にして、その風呂場に泊まることになったのです。