認知症だと思っていたら別の病気だった…医師の大半が経験
■打撲の程度が軽くてもリスクがある
「アルツハイマー型認知症と思い込んだまま、父にCT検査を受けさせずにいたら、今頃どうなっていたことか」と話すのは、北関東在住の女性。
昨年、同居する80代の父親の様子で変なことが続き、物忘れも目立ってきたことから、認知症を疑って近所のかかりつけ医のところへ連れて行きました。いくつかの検査の後、「年齢も年齢ですし、アルツハイマーかもしれません。ただ念のため頭部CTも撮った方がいいです。うちでは装置がなくて撮れないので、紹介状を書きましょう」と言われました。
亡くなった義母もアルツハイマーで、その症状に似通っていたことから、女性は医師が発した「アルツハイマー」という言葉を衝撃をもって受け止めました。「アルツハイマーかも」と言われたのに、その「かも」が抜け落ちてしまったのです。
父親が外出を嫌がり、かかりつけ医のところに連れて行くだけでも大変だったので、CTを受けられそうな大学病院へ連れて行くのはさらに困難そう。しかも、コロナの第6波が来ていた頃。「無理に病院へ連れて行って、父親がコロナに感染したら大変。アルツハイマーを完治させる薬はないのだから……」と、しばらく時間をおいて、コロナが落ち着いたら父親を説得し、大学病院を受診しようと考えました。