人口肩関節に換える最大のメリットは痛みが劇的に改善すること
日本で行われている人工肩関節置換術は、主に2つあります。全人工肩関節置換術とリバース型人工肩関節置換術です。
いずれも変形した肩関節を人工のものに置き換える手術ですが、後者は、通常の肩関節の頭と受け皿が真逆になった「リバース(反転)型」の人工肩関節を使います。今回は2つの人工肩関節手術どちらにも見られるメリット、デメリットをお伝えします(イラスト参照)。
この2術式の最大のメリットは、肩の痛みが劇的に改善するということです。痛みにもいろいろあり、運動時痛、安静時痛、夜間痛などがあります。どの痛みも改善が見込めます。痛みがとれることで、痛みのためにできなかった行為が可能になります。
一方、その最大のデメリットは、健側(けんそく)と同等の可動域の獲得は難しいということです。可動域が十分に得られなくて不都合になる日常動作はいろいろありますが、とくに手を背中に回して何かを結ぶような動き「結帯動作」の困難さは、手術をしても改善しないことがよくあります。日本人、特に女性はエプロンの紐がほどきにくい、ブラのホックがかけにくいなどとおっしゃられます。