著者のコラム一覧
古谷彰子愛国学園短期大学准教授

早稲田大学大学院卒。早稲田大学時間栄養学研究所招聘研究員、愛国学園短期大学准教授、アスリートフードマイスター認定講師。「食べる時間を変えれば健康になる 時間栄養学入門」「時間栄養学が明らかにした『食べ方』の法則」(ともにディスカヴァー・トゥエンティワン)などがある。

【パルメザンチーズ】高齢者の骨粗しょう症予防におすすめ

公開日: 更新日:

 パルメザンチーズはイタリアの特産品で、非常に硬くて粉状にすることができるハードチーズです。パルメザンチーズの製造は一年中行われているので特定の旬はないのですが、イタリア料理のおいしい季節は秋から冬。塩味が強く、風味豊かで、そのままチーズとして食べられるほか、パスタやリゾット、温かいスープなどに使われ、風味とコクを引き立てるためによく使われるようになる食材といわれているそうです。

 パルメザンチーズは粉状にすれば保存が容易で、料理に手軽に利用できるため、多くの人に親しまれています。特に同じ量で牛乳の10倍以上のカルシウムを含む栄養価はとても画期的! 効率のいいカルシウム補給に効果的です。というのも、乳製品全般は他の食品と比較してもカルシウムの吸収率が高く、その中でもチーズは特にカルシウム吸収性が優れているのです。

 チーズのカルシウム吸収の高さには、熟成過程で生成されるカゼインホスホペプチドや、チーズを食べることで副甲状腺ホルモン(PTH)の作用がカルシウムの吸収を高めることや、乳製品に含まれるカゼインカルシウムが体内でより効率的に吸収されることも要因のひとつです。そのため、カルシウム不足から引き起こされる骨密度低下を防ぐための理想的な食品とされていて、高齢者の骨粗しょう症予防に効果的であることがわかっています。高齢者を対象にした実験では、チーズを摂取する人は牛乳の摂取頻度も高いことがわかっています。歩行速度が速く、歯の本数が多く、ふくらはぎの周囲長、善玉コレステロール値が高い傾向の相関は、チーズを取っている人に優位であることが報告されています。また、尿失禁や貧血の頻度が低いことや、認知機能を評価する指標であるMMSEのスコアが高い傾向も示されていました。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    永野芽郁“”化けの皮”が剝がれたともっぱらも「業界での評価は下がっていない」とされる理由

  2. 2

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  3. 3

    大阪万博「午後11時閉場」検討のトンデモ策に現場職員から悲鳴…終電なくなり長時間労働の恐れも

  4. 4

    “貧弱”佐々木朗希は今季絶望まである…右肩痛は原因不明でお手上げ、引退に追い込まれるケースも

  5. 5

    遠山景織子の結婚で思い出される“息子の父”山本淳一の存在 アイドルに未練タラタラも、哀しすぎる現在地

  1. 6

    桜井ユキ「しあわせは食べて寝て待て」《麦巻さん》《鈴さん》に次ぐ愛されキャラは44歳朝ドラ女優の《青葉さん》

  2. 7

    江藤拓“年貢大臣”の永田町の評判はパワハラ気質の「困った人」…農水官僚に「このバカヤロー」と八つ当たり

  3. 8

    天皇一家の生活費360万円を窃盗! 懲戒免職された25歳の侍従職は何者なのか

  4. 9

    西内まりや→引退、永野芽郁→映画公開…「ニコラ」出身女優2人についた“不条理な格差”

  5. 10

    遅すぎた江藤拓農相の“更迭”…噴飯言い訳に地元・宮崎もカンカン! 後任は小泉進次郎氏を起用ヘ