田中里佳
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田中里佳順天堂医院足の疾患センター長

2002年東海大学医学部卒業、04年同大学形成外科入局、06年米国ニューヨーク大学形成外科学教室留学、12年順天堂大学医学部形成外科学講座准教授、医局長を経て現職を務める。

なぜ、いまの日本で足の専門医が求められているのでしょうか?

公開日: 更新日:

 アメリカには医師や歯科医師のように、足のトラブルを専門に診療する「足病医(ポダイアトリスト)」がいるのはご存じでしょうか。

 一般の医師とは異なる国家資格で、4年制大学を卒業後、足病学の専門大学に進学し、卒業後はさらに3~4年間の研修を受けたのち資格を取得することができる専門医で、アメリカには約1万人以上の足病医がいるとされています。

 足病医学はアメリカですでに100年以上の歴史があり、靴を履く習慣から足のトラブルを抱える人が多かったことで発展したといわれています。

 日本で足病の専門分野と専門医の国家資格がなぜできなかったのか理由は分かりません。推測するに、日本の場合、明治時代初期の文明開化まで靴を履く習慣がなかったので足のトラブルが比較的少なく、足病医学が発展してこなかったと考えられています。

 現在も日本の医学教育の現場には足病に関する教育プログラムがなく、国内には足病を総合的に診察できる医師がほとんどいない現状です。

 患者さんも、足の痛みやむくみの症状で受診しようと思っても、足病科がないので何科を受診すればいいか分からず、病院を転々としているうちに病気が進行しているケースが少なくありません。

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