ベッド編(4)背中にクッションを入れて姿勢を安定させる
介助者の視線は正面に向ける
さらに、介助者を悩ませるのがベッド上での水平移動だ。寝たきりの人でも、ベッドの背上げ機能を利用すれば腰に負担をかけず楽に左右へ移動させられるという。
「①あらかじめ枕を取り除いてからベッドの背をできるだけ高く上げ、相手を移動させたい側のベッドの横に立ちます②相手の頭から遠い方の膝をベッドにつき、親指、中指、薬指で相手の両手首を取り、お腹の前で交差させます③介助者は相手の膝の位置まで移動して、先ほどと同側の膝をつき直し、ついた膝と同側の腕を相手の膝下に深く差し入れます。その際は手のひらを下に向けた状態にしてください(写真2)④差し入れた腕を親指が上になるように回し、五指をピンと張ります⑤相手の膝下に差し入れた腕を斜め45度の角度で引き上げ、相手の両膝を曲げます」
⑥空いている方の腕を相手のうなじから奥側の肩まで差し入れ、中指と薬指で肩に触れる⑦相手の両膝の下に差し入れた方の腕の手のひらを上向きにして、中指と薬指で奥側の膝に触れる⑧そのまま相手の体を手前に傾け、引き寄せて水平に移動させる。
「介助の際に意外と重要なのが視線の方向です。重い物を持ち上げる際、視線が対象物に向いていると重く感じやすいので、あえて相手を見ずに視線は正面に向けながら行ってください」(おわり)
■詳しくはYouTubeチャンネル「根津式介護技術」で