44~59歳のX世代はがんの罹患率がアップする…米国立がん研究所が衝撃予測
フィリップ博士らは、「アメリカのがん罹患率は、今後数十年間、受け入れられないほどに高いままである可能性がある」と結論づけている。
ただし、アジア系または太平洋諸島民の男性に限っては、がん罹患率の増加は予測されなかったそうだ。
■ライフスタイルの変化が一因
さらに、X世代は男女とも、がん全体の罹患率は増加が予測されているが、女性は肺がんと子宮頚がんは減り、男性は肺がん、肝臓がん、胆嚢がん、非ホジキンリンパ腫は減少が予測されるという。
大西睦子医師によると、それは説明がつくそうだ。
「喫煙防止キャンペーンによって肺がんが減り、ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチンによって子宮頚がんが減少した」と考えられるという。
それにしても、どうしてX世代はベビーブーマー世代に比べて「がん罹患率」が高くなるのだろうか。
大西睦子医師はこう言う。
「ライフスタイルの変化が原因と考えられます。オハイオ州立大教授のフイ・ジェン博士らの21年の報告によると、最近の世代は、両親や祖父母が同じ年齢だった頃と比べて、心配なほど健康状態が低下しているといいます。X世代とY世代(81~99年生まれ)は、以前の世代と比べて飲酒や喫煙などの不健康な行動が多く、身体的な健康状態も悪く、うつ病や不安症が多いことも報告されています。アジア系と太平洋諸島民の男性に限って、X世代のがん罹患率が増加しないのは、ライフスタイルがそれほどベビーブーマー世代と変わっていないのかも知れません」