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西内義雄医療・保健ジャーナリスト

医療・保健ジャーナリスト。強みは各地に顔見知りの保健師がいること。両親&義両親の介護・看取りを経験。

「自宅で最期を」に固執しすぎると、もしもの時に慌てふためく

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 もうひとつ、原則65歳以上・要介護度1以上を対象としている公的施設が老人介護保健施設(老健)。こちらは在宅復帰を目指す施設のため、医師や看護師のほか、理学療法士や作業療法士なども常駐し、1日20分ほどのリハビリを週3回ほど受けることができる。その成果を見極めつつ、原則3カ月ごとに入居を継続する必要性が審査される。部屋は多床室がメインで利用料金は月額8万~15万円ほど。特養より上限が少し低めと考えておけばいい(個室はかなり高くなる)。

 老健は以前ご紹介した回復期リハビリテーション病棟を出たものの、もう少しリハビリが必要な人の受け皿としての役割がある一方、どうしても自宅に戻すことができず、特養の順番待ちのため(老健を)渡り歩くケースもある。それほど、高齢者が元気に自宅で暮らし続けることが難しい世の中なのだ。

 参考までに要介護度の高い特養はもちろん、低めの老健でも施設内の移動はほとんど車椅子が使われている。筆者は何カ所も施設見学に行っているが、スタッフが利用者に語りかけている姿は見ても、利用者同士で楽しく語らっているところはほとんど見たことがない。在宅復帰を目指す老健といえども、自宅の構造や家族の事情で、そう簡単に復帰させることができない介護の現実がそこにある。公的施設ゆえにイベントも食事もごく普通のものが多い。

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