皮膚を見れば病気が分かる(3)首の後ろが硬くなっていたら糖尿病が進行したサイン
「糖尿病で見られるデルマドロームはいくつもありますが、中でも最も回避しなければならないのが『糖尿病性足壊疽』でしょう」
血糖コントロールが悪く高血糖の状態が長く続いて糖尿病神経障害を合併すると、知覚が鈍くなり足をケガしても気付きにくい。また血行障害により足の血流が悪くなると、傷を治すために必要とされる酸素や栄養が行きわたらず、短期間で壊疽を起こしかねない。
「また、高血糖自体が免疫を担う白血球の働きを悪くさせるので、病原体と闘えず細菌や真菌に感染しやすくなります。実際、糖尿病の方は水虫(足白癬)にかかりやすいといわれ、糖尿病患者のうち、約半数に足白癬が見られたとのデータも報告されています。足白癬による皮膚の傷から細菌に感染して重症化すると、最悪のケースでは足の切断を余儀なくされるので、皮膚病変を起こさないためにも、早期の血糖コントロールが重要なのです」 (つづく)