“安倍派解消論”身内から噴出!所属議員を襲う「ポストない、金ない、選挙きつい」の三重苦
「幅広い意見、熱い思いを聞かせてもらいたい」──。岸田首相は16日、自民党本部で開かれた2回目の政治刷新本部で、約150人の議員を前にそう呼びかけた。政治資金パーティーの裏金事件を受けた党改革を話し合う場で「熱い思いを聞かせて」とはズレてる感が否めないが、渦中の安倍派所属議員からは“安倍派解消論”が飛び出した。
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裏金事件は東京地検特捜部が政治資金規正法違反容疑で告発された安倍派幹部7人を不起訴とする方針を固めたと報じられている。
安倍派は2018~22年の5年間で6億円近い裏金をこさえていたにもかかわらず、告発された事務総長経験者や「5人衆」と呼ばれる幹部は「おとがめなし」。特捜部は高額のキックバック(還流)を受けていた大野泰正参院議員(約5000万円)と池田佳隆衆院議員(約4800万円)、谷川弥一衆院議員(4000万円超)の3人を立件してお茶を濁すつもりらしい。
明白な不正に鉄槌を下せない検察の体たらくが有権者の怒りの火に油を注ぐ中、焦っているのが安倍派の議員だ。
16日の政治刷新本部で、同派所属の若林健太衆院議員が安倍派の解散を訴え、裏金疑惑で防衛副大臣を辞任した宮沢博行衆院議員も安倍派を解散すべきだとして「私は派閥に残って安倍派を介錯する覚悟だ」と強調した。
「安倍派議員が『安倍派解消論』を訴えたのは、そうしないと格好がつかないからでしょう。もっとも、解散してもらった方が所属議員にとっては都合がいい、ということもあります。1人で派閥を飛び出せば、“裏切り者”として仲間のヒンシュクを買うから、いっそのこと『せーの』で解散してもらった方がいいのです」(自民党関係者)