治療法がない? 終末期のペット「QOLの向上」でサプリは十分選択肢に
動物もヒトと同じように高齢化していて、シニアになるとがんが進行したり、免疫力の低下で代謝機能が悪くなったり、原因不明の膠原病を患ったりして、さまざまな病気を発症します。そうやって終末期を迎えるのですが、最期が近づくにつれて承認された治療が少なくなって、承認の枠の中では治療が難しくなるのが現実です。
そんなときに大切なのがQOL(クオリティー・オブ・ライフ)で、日本語で生活の質と解釈されます。ヒトでも動物でも、治療と病気を両立するには常に重要な考え方ですが、特に終末期はQOLをどうとらえるかが欠かせません。
目の前の病気を治すことができる治療法があるなら、その治療法に託して、動物と飼い主さんが充実した余生を楽しむというのは十分ありえると思います。
しかし、先進治療にわが子を託したとしても、入院が長引いたり、副作用で苦しんだりして、期待した効果が得られず、十分な余生を楽しめないとしたら、果たしてその治療はよかったのでしょうか。
終末期のペットのQOLを考える上では、飼い主さんがわが子とどんな余生を送りたいか。どうやって看取りたいか。そういう視点が必要です。