中高年の無理な脂質カットは体を悪くする…メタボ悪玉論で“ヤリ玉”に挙がる脂肪の正しい知識

公開日: 更新日:

 アスリートは、スピードや瞬発力を求めて脂肪をそぎ落とす。サッカーや陸上などのトップ選手は、1ケタ台の体脂肪率が当たり前だが、2月の大阪マラソンを制した国学院大陸上部の平林清澄は、何と3%! 一般の人がマネする必要はないが、メタボ悪玉論との兼ね合いでヤリ玉に挙がる脂肪は、意外にも体に不可欠な一面もあるという。

  ◇  ◇  ◇

 マラソン界に現れたニューヒーローは初マラソンの勝負どころである30キロを過ぎても笑顔で駆け抜けていった。

 初マラソンとは思えない走りでゴールテープを切った記録は、初マラソン日本最高記録、日本学生新記録となる2時間6分18秒。終盤でも衰えない軽い走りは、陸上ファンの話題を呼んだ。

 ベールを脱いだスターの生活を報じたのは、日本テレビ系で15日に放送された「news every.」。食生活とともに明らかにされた体脂肪率は驚異的な3%だった。168センチ、44キロ。今年4年で、主将として部員を引っ張るチームの大黒柱は、失礼ながら女性のような体格だ。

「(体脂肪率を)測って3.0(%)なんですけど、機械が3.0までしか出ないらしくて、人間の生命維持活動の限界みたいな。命、削って走っています」

 チーム全体の平均が7%というから、平林のスリムぶりは突出していることが分かる。「軽さを生かした安定性」を追い求めて磨き上げた肉体だという。

■「食べていかないと追いつかない」

 自ら「命、削って」と語っているように、食事の重要性はしっかりと認識。「(走ったりすれば)エネルギーがなくなっていくので、食べていかないと追いつかない」と、その日は合宿所の夕飯にチーズハンバーグ、ジャガイモとツナの煮物、イタリアンサラダ、コンソメスープをおかずに350グラムの米を平らげ、パイナップルも口にしたそうだ。

 当然だが、シロウトが食事だけ極端に減らして減量しようとするのとはまったく違う。そのときのベストなコンディションを求め、トレーニングと食事を綿密にバランスしているのだ。

 このほどサッカー日本代表に復帰した長友佑都(37)は5年前、日清オイリオのCM撮影で体組成計に乗ったところ、8.5%と表示され、現場を驚かせた。

 スピードと瞬発力を追求するアスリートは極限まで脂肪をそぎ落としているが、そんなトップ選手の報道や脱メタボの流れに乗って、脂肪を悪玉視し過ぎるのはよくないという。

最新のライフ記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 暮らしのアクセスランキング

  1. 1

    首都圏の「住み続けたい駅」1位、2位の超意外! かつて人気の吉祥寺は46位、代官山は15位

  2. 2

    シニア初心者向け「日帰り登山&温泉」コース5選 「温泉百名山」の著者が楽しみ方を伝授

  3. 3

    斎藤元彦氏猛追の兵庫県知事選はデマと憶測が飛び交う異常な選挙戦…「パワハラは捏造」の陰謀論が急拡散

  4. 4

    兵庫県知事選「頑張れ、斎藤元彦!」続出の異常事態…まさかの再選なら県政はカオス確実

  5. 5

    兵庫県知事選・斎藤元彦氏圧勝のウラ パワハラ疑惑の前職を勝たせた「同情論」と「陰謀論」

  1. 6

    斎藤元彦氏がまさかの“出戻り”知事復帰…兵庫県職員は「さらなるモンスター化」に戦々恐々

  2. 7

    別の百条委メンバーも兵庫県知事選中に「脅迫された」…自宅前に県外ナンバーの車、不審人物が何度も行き来、クレーム電話ひっきりなし

  3. 8

    悠仁さまの処遇めぐり保護者間で高まる懸念…筑付高は東大推薦入試で公平性を担保できるのか

  4. 9

    異様な兵庫県知事選の実態…斎藤元彦氏の疑惑「パワハラは捏造」の臆測が急拡散

  5. 10

    「資格確認書」利用で窓口負担増の“ペナルティー”を政府検討 露骨な格差に識者も怒り露わに会員限定記事

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  2. 2

    米挑戦表明の日本ハム上沢直之がやらかした「痛恨過ぎる悪手」…メジャースカウトが指摘

  3. 3

    陰で糸引く「黒幕」に佐々木朗希が壊される…育成段階でのメジャー挑戦が招く破滅的結末

  4. 4

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  5. 5

    巨人「FA3人取り」の痛すぎる人的代償…小林誠司はプロテクト漏れ濃厚、秋広優人は当落線上か

  1. 6

    斎藤元彦氏がまさかの“出戻り”知事復帰…兵庫県職員は「さらなるモンスター化」に戦々恐々

  2. 7

    「結婚願望」語りは予防線?それとも…Snow Man目黒蓮ファンがざわつく「犬」と「1年後」

  3. 8

    石破首相「集合写真」欠席に続き会議でも非礼…スマホいじり、座ったまま他国首脳と挨拶…《相手もカチンとくるで》とSNS

  4. 9

    W杯本番で「背番号10」を着ける森保J戦士は誰?久保建英、堂安律、南野拓実らで競争激化必至

  5. 10

    家族も困惑…阪神ドラ1大山悠輔を襲った“金本血縁”騒動