能登半島地震から8カ月…現地を歩いてわかった輪島市の今と、今後の大地震に備えられること
明るいニュースは3つある
それでも、明るいニュースは3つある。筆者が前回輪島市に訪れた3月末と比べれば、復興作業はゆるゆると進んでいる。輪島市内の水道復旧も珠洲市並みに遅れていて断水が続いていたが、今公衆トイレでもちゃんと水が出て感動した。3月の時点では水が流れず、汚物が溜まっていたのだから。水の問題は大きい。平時からペットボトルの水を蓄え、ゴミ袋や新聞紙などで作る簡易トイレを使えるようにしておきたい。
2つ目は祭り。恒例の輪島大祭が規模を縮小して開かれ、能登が誇る総漆で豪華なキリコが街中を練り歩いた。珠洲市では、地震の被害が甚大な正院地区で9月14〜15日に「正院キリコ祭り」が行われる予定。地元っ子たちが故郷に戻ってキリコを担ぎ、1日も早い復興を祈るのだ。
3つ目は観光面。奥能登の飲食店が徐々に再開されているし、能登半島の中部の七尾市や羽咋市以南であれば、宿泊は可能だ。9月以降、地元石川県のほっこく観光が主催する「今行ける能登応援ツアー」をはじめ、大手旅行会社主催の復興ツアーが始まる。観光が復興の一助になるのは間違いない。“さいはての地”と呼ばれる奥能登へのアクセスの悪さは、その半面、他の地域と遮断されているので、独自の文化を生み出した要因にもなっているのだ。
能登に起きたことは、遅かれ早かれ、日本各地にも起こりうること。いつ来るか分からない“その日”に備えて、今一度気を引き締めるべきではないだろうか?
(取材・文=東野りか)
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