パインアメ 上田豊会長(1)阪神・岡田監督の大好物「貴重なパインをもっと気軽に」という憧れから誕生
模倣品で売り上げ激減、窮地を救った「ひらめき」とは
51年、初代パインアメが1個1円で販売され、飛ぶように売れた。しかし、その1年後、パインアメを模倣した商品が出回り、売り上げは急激に減少した。そこでも、保夫氏の“ひらめき”が窮地を救った。
「当時、パインアメには穴が開いていなかったので、穴を開けることで苦境を打破できるのではないかと考えたんですね。最初は、人の手を使って、ひとつずつ、割り箸で穴を開けていたのですが、腱鞘炎になる人が続出してしまって。他社が、自動で穴を開けたアメを販売し始めたこともあり、急きょ、自動穴開け機を開発したんです」
51年、業平製菓は個人商店から、株式会社に生まれ変わり、56年にパイン製菓株式会社となった。 (つづく)
(ジャーナリスト・中西美穂)