ニデック(上)在籍2年のソニーグループ出身・岸田光哉副社長を社長に起用した理由
一流企業のエリートを引っ張ってきて後継候補に据えるという手法は、これまでのやり方とまったく変わらない。
「真の生え抜き社長が誕生するのは早くて4年後。岸田の次の社長候補として、28年にはプロパーの社長候補が出てくる。次を担えそうな人材を早く育てていきたい」と永守は今後の展望を語る。
昨年3月の時点では「新体制発表に伴って代表権を返上する」と言明していたが、この約束を完全に反故にし、永守は代表権を持ち続けることになった。これではニデックの表紙はまったく変わらないことになる。「海外のM&Aには代表権が必要」というのが代表権を持ち続ける理由だが、説得力に乏しい。ニデックのドン、永守体制は不変なのだ。
「業績を上げてくれ。株価を上げてくれ。言いたいことはそれだけだ」としているが、思い通りにいかなければ、いつでも強権を発動できる。
業績&株価という2つの課題を達成できなければ、前任者たちと同じで、あっさり見切りをつけられることになる。 =敬称略、つづく