円安歯止めは「年単位の時間」と専門家が悲観観測…1ドル=110~120円台は遥か遠い道のり
歯止めがかからない歴史的な円安水準に、個人も企業も疲弊するばかりだ。毎日新聞の最新の世論調査(18~19日実施)によると、円安が自身の暮らし向きにとって「マイナス面が大きい」との回答が8割に上ったという。悲しいかな、為替の影響が暗い影を落とす状況はしばらく続きそうだ。
足元の円相場は1ドル=154~156円台で推移。政府・日銀による覆面介入の効果なのか、先月29日に一時1ドル=160円に達して以降、150円台半ばをウロウロしている。
円安のおかげで輸出企業はウハウハだろうが、帝国データバンク(TDB)が17日に公表した〈円安に関する企業の影響アンケート〉によれば、対象企業(有効回答1046社)の実に63.9%が円安進行について「利益にマイナス」と回答。自社にとって適正な為替レートの水準は「1ドル=110~120円台」が50.1%を占めた。足元の円安水準が多くの企業を悩ませ、いかに行き過ぎているかがよく分かる。
■円安・コスト高による倒産増の恐れ
ただ、1ドル=110~120円台までは遠い道のりだ。経済評論家の斎藤満氏がこう言う。